デスストについてインタビュー in ロシア (2019/10/4)


現在ロシアコミコンのためモスクワに滞在しているマッツですが、初日のインタビューと思われるものが10/5に早速web上に公開されていたので和訳します。10/6に同じメディアから小さい記事(コミコンステージの要約)がまた発信されたのでそちらも追記しました。(10/5に1記事目up。10/6に2記事目追記)

さほど余力ないのでインタビュー部分のみ和訳します。いつものように和訳は直訳気味、[ ]は私の補足、()は元記事の補足、固有名詞の和訳は適当です。


●10/5公開の1記事目(英語)
Source: https://tass.com/society/1081436
[ロシア関連で聞く「タス通信」ってここのことのようです]

—あなたほどのハリウッドスターがビデオゲームで演じるのは滅多にないことです。新しい映画とビデオゲームのシナジー[相乗効果]の時代の幕開けになると思われますか?
 — えぇ。思いますよ。キアヌ・リーブスもまたある作品(サイバーパンク2077)で仕事をしていると知ってる。それは世界を変えるわけでも、僕たち[俳優]のフルタイムの仕事になるわけではないけど、その2つの宇宙の間には明らかに1つの橋がある。僕が思うに、何かとっても面白いものをもたらすだろう橋がね。何[十]年か前にテレビが世に出て、僕たちはパニックになった。今は、何が起きようとしてるのだろう?映画が終わる?映画が登場したとき、みんなパニックになった。演劇は終わった?僕たちがこの世界に追加できる何か新しいものというものはいつだってあって、そして僕はこれ[デススト]はただ別の一つの段階だと思ってる。

— 小島秀夫さんと一緒に仕事をされたのは、ハリウッドの監督と比べていかがでしたか?
— えぇと、彼はとても穏やか[gentle]でとても心がオープンな人だよ。何よりも、彼は作品のシーンのどの1ショットについても膨大なストーリーボードを持っている[≒どのショットも緻密に作り込んでいる]。この作品は彼のグラフィックノベル[成人向け漫画]であり、彼がしたいことのイメージでもある。僕たちはある部屋にいたんだけど、そこには緑のスクリーンがあって、僕は緑色のスーツを着てカメラのついたヘルメットを被ってた – めちゃくちゃ変だよね!僕たちは小さなシーンをいくつかやって、僕たちはその物語の流れ[story arch]が一体どんなものなのかはっきりとは知らなかった。だってそれはゲーム向け[の撮影]で、誰でもそれを変えることができるから。でも、僕たちは全てのシーンを演じきった。幸運なことに、緑のスーツを着ていたのは僕だけじゃなくて、他のみんなもだったんだ。だからそれはクールだったね。

過去のインタビューでは、もし僕が間違えてたら教えてほしいのですが、あなたはセットで時間を潰すのが好きではなくて、作品がどこに行こうとしているのか監督からのはっきりした理解がほしいと以前言われていました。その点については小島監督とはいかがでしたか?
— 僕は彼のヴィジョンがどこに向かっているのか感じ取っていたとはっきり言うよ。そして、僕は「ここに行け、座れ、この台詞を言え」というようなはっきりした指示が欲しいと言う意味で言ったんじゃない。そんなのは嫌いだ。でも、彼の精神[mind]とヴィジョンを理解しようとすることは、僕がそこ[監督と同じ場所]に行けて彼の宇宙にフィットするだろう意見をいくつか提案できるようになるためには必須だった。秀夫はとてもインスパイアリング[インスピレーションを与えてくれる]だった。

— そのゲームはどのようにびっくりする[mindblowing]ものですか?そして、この作品を終えられた今、あなたはその物語の全てをご存知ですか?
— それ[物語を理解すること]は何時間もかかるよ。僕はそれに2時間かかって、それは僕を茫然とさせた。その作品が僕たちをどこに連れて行くのかを見るのは、正気じゃなかった。それは見た目だけがびっくりするというものではなくて、それが演じられる[was played]方法もまたびっくりするものなんだ。それは想像もしなかった[out of the box]といった感じのもので、僕たちが未だかつて見たことがないものなんだ。そして僕は、それこそが人々が小島秀夫に期待していることなんだろうと思う。彼は新しいものを作るゴットファーザーなんだ。

— あなたのキャラであるクリフについて教えてください。彼になるのはどんな感じでしたか?僕たちが知る限りでは、彼は敵ですよね?
— えぇ、でもまただけど、答えはノーなんだ。僕たちはゲームを何時間も何日もかけてプレイしてキャラのことをより知っていく。僕はどこまで言うことが許されてるのか自信ないんだけど、でも… その作品をプレイすればするほど、キャラ達は膨らんでいって、そしてそのパズルに収まる小さなかけらを色々と見つけていくんだ。だから、僕は絶対に彼が敵でしかないなんて言わない。[本文がイタリックなので強調して言われたんだと思います]

— それは興味深いですね。
— ほんとうに、そうだよ。

— あなたはどのくらいクリフですか?[似ている部分がありますか?]
— 役柄のどのくらいが僕か、ということを考えるのは面白い。僕たち[俳優]は、僕たちがするすべてのことにおいて自分自身を確かに使う。僕はまた、たくさんの僕自身を捨て去るようにも努力する。そしてそこには何かが残って、それが強調されて、そしてそれが一つの役になるだろう。僕はそれにパーセンテージを示すことはできないけど、そこには絶対何か[僕の一部]があるよ。

— 俳優としてのあなたにとって、デス・ストランディングに出ることの一番の挑戦[challenge; 壁]は何でしたか?
— それは物語をA[最初]からZ[最後]までは理解できないだろうという事実について頭を巡らせることだったよ。だってそれは秀雄の世界やビデオゲームの世界で通じることじゃないから。それ[物語]は僕たち[俳優]がいつもかなり頼るもので、僕たちは自分自身の小さな話や自分たちの小さな欠片を付け足すことができる。だから「これが自分がこのシーンから[“に”の間違い?]ほしい唯一のものだ」ということを受け入れないといけなくて、だからそれ[物語をすべて理解しようという考え]を窓から投げ捨てて、ただ各シーンの撮影を始めないといけなかった。

— トム・ハーディをご存知ですよね。こういう言い草、ジョークがあるんです。トム・ハーディをキャスティングできた監督はみんな彼の顔にマスクをつけたがる、と。あなたの映画では、監督達はあなたの目に何かする傾向にあります。ル・シッフル氏(カジノ・ロワイヤル)、ロシュフォート(三銃士)、カエシリウス(ドクター・ストレンジ)、そして今このビデオゲームでも、あなたはこの黒いオイル状の円が目の周りにあって…
— 『ヴァルハラ・ライジング』でのワン・アイという僕の役もあるよ。

— なぜ監督達はあなたの目に何かしたがるんでしょう?
— 全員じゃないよ。あちこちの作品でずっとオーバーラップしている[似通っている]ことはたくさんあるんだ。他には、僕は何回も車を運転してる男を演じてる…。顔に何かラジカルなことをしたいと思ったら、唇に何かするのはとても難しいんだ。偽の唇を保つのはとても難しいからね。話し出したらすぐに壊れるし。目ならもっとずっと簡単何だ。だからそれが理由なんじゃないかと思うよ。強力な見た目になる。

— ショービジネスに政治的な部分はありますか?僕が言いたいのは、もしロシアの監督がある映画への出演についてあなたにアプローチしたら、もしあなたがそれを受けたなら、ハリウッドでは眉を顰められると思いますか?
— いいや。僕はそうは思わないし、僕は気にしない。ロシア人は1億4500万人いて、みんな同じじゃない。同じことがアメリカ人についても言える。時には映画は政治的だ、でも多くの人々は個人的な映画を作っている。彼らが語りたいと思っている胸の内にある何かの映画をね。そして、なぜそれが別の国で仕事をするのをやめる理由になりうるのか僕には分からない。

 

●10/6公開の2記事目(ロシア語をGoogle翻訳を駆使して英訳し和訳)
コミコンのステージでのやりとりの要約のようです。抜粋し箇条書きにします。
Source: https://tass.ru/kultura/6966857

・「ロシア語は世界で最も美しい言語の一つだ。僕はそれを身につけないと」

・ロシア人について「彼らは塞ぎ込みがちだけど、素晴らしい情熱(жизнелюбием)を持っている」

・「ボルシチが大好き。アジア料理も大好きで、特に寿司が好き。そして僕たちがクリスマスに食べるデンマークの豚料理もあって。もし誰かがその料理を僕から奪ったら、僕はかなり怒るよ」

・歴史上の人物で誰とお茶を一緒に飲みたいか?という質問に対し「その人の大ファンかは分からないけど、でもチンギス・カンのフィギュアにはいつも惹かれていたよ」


 

1個目の記事は、なんかマッツの地に足のついている感じが改めて垣間みえてまた素敵なインタビューでした☺️

2個目はまさかのチンギス・カン…!想像が膨らみます。馬はマッツに似合いそうだし民族衣装も似合いそうでもしかして似合うんですかね…。あと好きな料理に寿司をあげてくれてるの、何度も言いますが嬉しいです。私は何も寿司文化に関わってないけど。。

コミコン関係でTwitterで和訳してるものは後日また別の記事にまとめますね。日本のこと触れてくれたの嬉しい! 今回マッツは物語の”arch”(アーチ。おそらく話の流れという意味)という言い方を何回かしていたのですが、英語ではあまり見かけない表現で、もしかしたらデンマーク語の表現を英語にしたのかなと思う。