マッツのインタビュー記事和訳(2016/4/17 ベルギー版マリークレール)


旧blogの記事移行です)
はい、マッツ・ミケルセンのインタビューの和訳置いときますねー。
全部したいところだけど取り敢えず目についたものから時間が許す分だけやるの。

Source: Mads Mikkelsen in Marie Claire
元記事はハンガリーの記事の英訳みたい。

ちな自称は「僕」にしてるけど「私」とか「俺」にして見て読んでみてもいいと思うよ。
あと私のコメントは(青の小文字)にしてます。

Mads Mikkelsen

Daddy Cool

デンマークの世界遺産のひとつである彼は、スターウォーズの次回作に出演し、伝説のジェームズ・ボンドの敵役であり、レクター博士の最も好感の持てる顔でもある。しかし、一方でRihannaのクリップ動画では、彼は突如ヒエラルキーのトップとして現れた。静かに煙を燻らせるその人気俳優が、ハンガリー版マリー・クレールの独占インタビューに応じた。(著者: Gábor Köves)

彼はヨーロッパのスターであり、アメリカにおいてはカリスマ的な個性を持つ俳優である−−ハリウッドのカード式索引によると。しかし、これは一時的な状態でしかない。なぜならこのデンマークのNo. 1俳優、ジェームズ・ボンドの記憶に残る敵役、病みつきになるシリーズの好感の持てる人食い(役)である彼は、現在Marvelの次回大作であるBenedict Cumberbatchの出るドクター・ストレンジを撮影しており、今年のスターウォーズに登場する予定である。この50歳のスターは、また、カンヌにも度々現れるゲストである。ときには賞を取り(例えば2012年の「偽りなき者(The Hunt)」の男優賞)、ときには他の誰かの賞を与え–彼はグランプリセレモニーにてLászló Nemes Jeles(ハンガリー作品のうち2番目にオスカーを獲得した映画「サウルの息子 (Son of Saul)」の監督)の肩を叩いた。

マッツ・ミケルセンは家にいるかのように寛いでいるが、そうしている理由がある。もし彼が我々と話していなければ、彼はおそらくコペンハーゲンの広々としたリビングルームで楽しい気分でタバコを燻らせているであろう。私たちはSkype通話で見えるものだけを見ていた。つまり、その俳優と食器棚だけである。その謎の家具はつまらないものではなかったけれど、マッツはそれ以上に魅力的であった。この「しあわせな孤独(Open hearts)」「Adam’s apple」「偽りなき者(The Hunt)」のスターは、ユーモアを理解するだけでなく愛している(それはその食器棚にはあまり当てはまらないが)。その俳優が吐き出す煙であっても、彼の答えに隠されたアイロニーを霞ませることはできない。

しかし、マッツ・ミケルセンは煙草とアイロニーのためだけにデンマークに帰ったのではない。撮影のためでもあるのだ。ちょうど今、彼はハリウッドでは知られていない顔を見せている。「Men and Chicken」で人の愚かさを巧妙に演じた顔である。

マッツ「僕のことよく見えてます?」

はい。私はよく見えますか?

マッツ「バッチリです。でもちょっと待って、ラップトップの音量を上げて、灰皿を持ってきます」

煙草はご自由に吸ってくださいね。何のブランドを吸われるんですか?

マッツ「King’s favouriteのOriginal。伝統的なデンマークのフィルターなし煙草です。」
これですね!タール10mgでフィルタ無しということは、重めではあるけど異常に重いってほどじゃないか)

あなたのリビングルーム以外にKing’sを吸える場所が滅多にないことは気になりますか?

マッツ「慣れました。レストランで吸えないのはいいんだけど、ひとつも吸える場所がないのは困ります。どこもないときはね。多分、ポリティカル・コレクトのため禁止されてるのかな、と思う。でもまぁ、高いランチのためにたくさんお金を払うなら、誰かが自分の顔に煙草の煙を吹きかけることを心配しなくていいから、それについては僕は何も問題ないと答えるよ」

チキンの話に移りましょう。Men and Chickenのあと、以前と同じように鶏を見ることができていますか?

マッツ「僕は鶏愛好家だったことはないんだ。残念ながら、僕は鶏よりももっと魅力的な動物がいると思っている人種でね。鶏はとても醜い生き物だよ。少なくとも僕の中では。鶏の体の中で美しいと思える部分はひとつも挙げることができない。ごめん、うちの娘が鍵忘れた…」

(彼は立ち上がり、遠くで会話が聞こえ、そして彼は戻ってきて座った)

鶏について話していて…
(ここの英語シュールww “We were at the chickens…”)

マッツ「そう、鶏ね。えっと、この映画では鶏と人間の両方にとってかなりひどい(wild)ことが起こるんだけど、事実僕はシシケバブを問題なく食べられるから、深刻なショックで苦しんではいなかった。鶏たちの演技力を過小評価したくはないんだけど、もっとこうしてほしいという部分はかなりあった。どんなによく調教された動物であっても、びっくりさせられることが常に起こることはある。その場合、できることなんか何もないけど、即興で何かしてそのシーンの最後まで持っていかなければならない」

では鶏は、少なくとも串刺しされてなければ、あなたの好きなものではないのですね。犬派ですか?
(ケバブの話が出たので串刺しの話)

マッツ「虎。犬じゃなくて。小さい時からずっと、人生で一度は巨大な虎が僕の親友になることを夢見てるんだ」
(この部分が、ここで私が翻訳してる理由_:(´ཀ`」 ∠):_)

その「Men and Chicken」はあなたと監督Thomas Anders Jensenの4番目の作品ですが、初めての鶏の映画ではないですよね。

マッツ「僕たちの最初の映画はブレイカウェイ(Flickering Lights)で…」

そして、最初の鶏の映画は「フレッシュ・デリ(The Green Butchers)」で、汗だくの肉屋を演じたあなたは人肉を鶏肉として売っていた。

マッツ「えぇ、それは否定できません。ときどき彼の作品に鶏が繰り返し現れることがあるけど、でも僕は、これはただの偶然でしかないと思ってる。だってフレッシュ・デリ(The Green Butchers)」と「Men and Chicken」はチョーク(chalk)とチーズ(cheese)くらい違っていて、2つの違う世界であり、僕が演じる(2つの)役ほどに違う。一方の映画の鶏はメニューに出てきて、もう一方の鶏は寝室に出てくる。

「フレッシュ・デリ(The Green Butchers)」ではカニバリズムが出てきますが、ハンニバルというTVシリーズに比べたらかなり少ないですね。ハンニバルとしてはあなたは同僚の罰を与えたが、Rihannaのクリップ動画ではそのテーブルはひっくり返った。拷問する側がされる側になった。あなたは「Bitch Better Have My Money」ではかなり大暴れされていた。なぜこうなったのでしょうか?
(リアーナのそのPVはこちら。グロ注意。マッツがぁぁぁああ)

マッツ「単純な話ですよ。リアーナがある映画の中の僕を見て僕のマネージャーに連絡を取った。1日だけの作業で、それ以上は何もない。そして、もし父親がたった1日の仕事でリアーナのクリップで演じることによって、自分が望むほどに子供達の目に大きく映ることができるのなら、懸念なんかない、その機会に乗らないといけない。想像つかないだろうけど、この小さな役が僕のかっこよさのバロメーターを急上昇させたんだ。僕の子供達は大喜びしたよ。特に僕の息子の目には素晴らしく映った。ジェームズ・ボンドでの役でもカッコよかったけど、今回はそれすら超えた」

ここで、二つのよく知られたジェームズ・ボンドの噂話に決着をつけたいと思います。ひとつは、あなたがDaniel Craigの最初のボンド映画の悪役を演じると公表される前に、あなたのタクシードライバーのお父様が喜びコペンハーゲンの乗客みんなにその良いニュースを伝えていたという者です。

マッツ「それは全く現実味のない話だね。第一、僕の父はタクシードライバーじゃないから。」

もうひとつのよく知られた話は、あなたはとても簡単にその役を得たので、Daniel Craigがあなたが多分その目標を達成するために誰かと寝たのではないかと言ったというものです。

マッツ「僕はその役をオーディションに参加せずに手に入れた。ダニエルはその時までにボンドの役を手に入れるために5回の手続きを経なければならなかったので、その事実はDanielをかなり驚かせた。だから彼はその発言をしたんだ」

最近、あなたの公式サイトにあなたのファンの1人が作った動画がupされましたね。熱心な作者がデイビッド・ボウイの歌をミックスし、あなたの写真のひとつをもとに作った短い動画で流していました。あなたは同郷のラース・フォン・トリアーのように若々しいボウイへの情熱を持っていましたか?

マッツ「ボウイが亡くなったあと、2週間どこでもボウイの曲を聴き続けていたよ。どこに行ってもね。メイクアップ室、僕の車、どこであっても彼が歌ってた。実際、彼の歌が僕にとってかなり意味があったんだと気がついたんだ。彼の大ファンじゃなかったし彼のコンサート全てで大騒ぎしたりしなかったんだけど。おっ、この曲知ってる。この曲もーー曲を変えるたびにボウイの素晴らしい変幻自在さに驚嘆するしかなかった。」

ボウイの曲トップ3は?

マッツ「”Changes” “Life on Mars” “Let’s dance”。特に”Let’s dance”は僕の心にとって特に大事(dear)な曲だ」

なぜですか?

マッツ「色々理由がある。僕が最初にそれを聞いたとき、僕は十代で僕の年代の奴らはみんなブーイングした。だってボウイは彼の魂を売り渡してポップミュージックを作ったんだ。でもさ、彼はどんな種類のポップミュージックを作った?そして僕の娘がダンサーだったとき、このボウイの曲が彼女の人生においてもまた重要な役割を果たした。だからこの曲は僕にとってとても特別なんだ」

あなたはディスコ人間でしたか?

マッツ「僕?とんでもない!!僕はピンク・フロイドとDoorの人間だったよ」
(Door-guyは調べたけど意味が分からなかった。The Doorsってロックバンドのこと?)

メタルですか?ヘドバンの?

マッツ「そうさ。ヘドバンせずに一日過ごすなんてあり得なかった。これが僕の一般的なダンススタイルだった」

(この皮肉はSkypeを通じてすらはっきりしていた)

あなたはクラシック音楽の大ファンですよね。あなたのバレエダンサーの過去は、その愛着と関係していますか?

マッツ「僕はクラシックはもっと昔から触れていたんだ。僕が小さい子供だったとき、ショパンについての映画を見た。どの映画だったかは思い出せないんだけど、その後、その映画でかなり気に入ったのが英雄ポロネーズ(Polonaise in A flat major, Op.53)だということを突き止めた。(マッツ・ミケルセンはハミングを始めた: ram-ba-ram, ba-ba-ba-ba-ba-ba-bam… ta-ram-tam-tam…)僕はすぐに地域の図書館を訪れ、それを週に3回聴いてた。僕はそれをかなり長い期間続けていた。僕がロマンチックな気質だということを否定してもしょうがないだろうね。で、その後僕は他のアルバムを聴いて、さらにレンタルした。こんな風に始まったんだ」

ショパンの他にあなたにとって重要な作曲家は誰ですか?

マッツ「ストラヴィンスキーの春の祭典(The rite of spring)はいつも僕の頭に衝撃を与えるよ。それは僕に取ってかなり馴染み深いもので、なんたってストラヴィンスキーを弾いたこともあるからね(シャネル&ストラヴィンスキー(Coco Chanel and Igor Stavinsky)という映画で)」

どちらが難しかったですか?偉大なロシアの作曲家の役をするのと、Men and Chickenで精神的な壁にもがくEliasを演じるのと。

マッツ「どちらも違う挑戦でした。ストラヴィンスキーは技術的な性質の挑戦だった: ロシア語とフランス語を話すのを学ばないとならなかったし、さらにピアノを弾くのも学ばないとならなかった。ただ、どちらもかなりストレスフルだった。その後、そのキャラクターを作り上げなければならなかった。それが俳優の仕事だからね。Men and Chickenでは、僕は”多くの狂気の下部には必ず人間的で美しく詩的なものがある”ということを留意しながら、監督の奇妙で狂った世界の背後を見つけなければならなかった」

あなたはBenedict CumberbatchとのMarvelの新しいコミック映画を撮影したロンドンから戻ってこられたばかりですよね。Cumberbatch氏と仕事をするのはあなたの家族の伝統になりつつあるようですね。

マッツ「僕にとっては、今まで彼と撮影したのは2人のミケルセンだけだよ。僕の前に僕の兄(Lars Mikkelsen)が幸運にも共演した。そして、それは本当に幸運だった。ベネディクトは非常に才能のある若い男性だから。少なくとも彼は僕たちよりも若い。あのSherlockはーーこれは言い過ぎじゃないよーー既にTVシリーズの世界における伝説だ。僕の兄はその中で演じたし、彼はその作品を作ることが大好きだった」

今あなたは今年40歳になるCumberbatch氏を若者と呼びましたね。あなたはご自身の年齢についてどうお考えなのかお聞かせいただけますか?公式にはあなたは中年です。

マッツ「僕は昨年50歳の誕生日を祝いました。僕は自分自身にそれは大したことではないと言い続けています。それは数字でしかないとも。僕は今でもそれは数字でしかないと考えていますが、僕の楽観は脆くて、僕が中間地点にいるということを無視できずにいます。もし僕がすごくすごく幸運だったらもう一度15歳になりたい。150歳くらいまで生きたいですが、200歳の誕生日でもいい気分でいるでしょう」

あなたの誕生日には、あなたの同僚とよき友人たちとUlrich Thomasenがあなたの肖像画を描きました。なんと言えばいいのか… その絵には驚愕するものが描いてあって…

マッツ「Ulrichの絵はそういうものですよ。僕は彼のことをよく知ってますし、彼の絵も知ってます。彼は今日始めたようなものではなく、彼の人生ずっと絵を描いているんです。彼はとても才能に溢れている。彼は今まで一度も僕を描いたことはなくて、僕は彼が描いてくれたことをうれしく思ってる。それは大変な作業だったと思う。丸々1週間以上かかったんだ。僕にとっては大きな名誉だよ」

自作の贈り物についてはどう思われますか?

マッツ「僕は友達をそういったもので驚かせることには慣れてないけど、僕の子供達が小さかった頃は、彼らのために色んなものを作ったよ。主にハロウィンに向けて衣装や色々な物をね。それを作るために何週間も作業した。たくさんの作業を何のためにするのか?それは子供達が5分間身に付けられるように、それだけ。でも僕はそれをかなり楽しんだ」

あなたの最高の作品は何でしたか?

マッツ「あるときは僕の娘は牛乳パックだった。それは僕の作品だったんだ。開くことができて、僕の娘が中にいて、外側は一番完璧な牛乳パックに見えるよう必要なロゴだらけだった。僕はいくらでもお金を注ぎ込みそうだったけど、それには少ししかお金を使ってない。そして最高の瞬間が訪れた。彼女はそれを着て行進して、そしてダンスが始まったからそれを脱ぎ捨てた。それが僕が作った牛乳パックの束の間の栄光だった」

デンマークの最も有名なケーキは最も有名な往年の女優Sarah Bernhardtにちなんで名付けられました。俳優はケーキにその名前が付けられた後でもあなたの国では尊敬を受けます。あなたにちなんで名付けられたケーキもそのうちできるかもしれませんね。

マッツ「もちろん、デンマーク人は俳優たちのことをスポーツ選手やミュージシャンと同様に誇りに思っています。そして、同じ口で、何かにおいて成功した人について貶めることを言えるものです。誰かを偶像化するのはアメリカ的なことだ。でも、ケーキの話に戻りましょう。いい勘していますね、Sarah Bernhardtケーキは本当に僕の大好物の一つなんです」

Krisztina Besenyeiさんが英語へ翻訳(ありがとうございます!)

Tumblrより