“不誠実な”マッツ (April, 2015)


最近マッツのインタビューが載ってる雑誌のバックナンバーを個人輸入したので、読みつつ和訳します。今回は2015年4月のインタビュー。『The Salvation(悪党に粛清を)』関連です。

買ったのはUKのフリーペーパー『ShortList』です。
Web上にないと思うけど万一あったら私悲しむのでそっとしておいてください、と書いてたら自分で見つけました泣いてない泣いてないよ(つд⊂)ゴシゴシ

 
いつものように和訳は直訳気味、固有名詞の和訳は適当、[ ]は私の補足で()は元記事にあるものです。この翻訳で知った情報を使う場合は必ずソースを明記してください。特に今回は私自腹で買ってるので、、ほんと頼みます。


Source: ShortList, April 2015 issue

古いウェスタンの新しい顔

新しいカウボーイ殺戮映画『悪党に粛清を[“The Salvation”]』の主役であるマッツ・ミケルセンが、我々のモダンなウェスタンの祝福をスタートさせる

[写真キャプション] マッツ・ミケルセンは、支払いを求め、不当な扱いを受ける入植者を『悪党に粛清を』で演じる。

デンマークの現実主義、Dogma 95ムーブメントの監督がウェスタンのジャンルに加わったら、ウェスタンに何が起きるだろうか?その答えは「驚くほどにほとんど変わらない」だ。Kristian Levringは、拍車[ブーツの後ろに付いている棘のある金具]をベッドにまで持ち込みそうなほどにかなり伝統的なウェスタンを作るために、そのグループ[Dogma 95]のルールのいくつか(「軽薄なアクションは無し」や「ジャンルのある映画は不可」が特に顕著)を度外視した。

あるデンマーク人の移民(マッツ・ミケルセン)が妻と息子とアメリカで会うために何年も待ったが、2人ともあまりフレンドリーではない現地の大地主のギャングによって殺されてしまうというLevringの物語は、復讐、銃、無法、更なる復讐、という過去の偉大なウェスタンの特徴をすべて網羅している。今回、ミケルセンはデンマークの鬱とその西部地域[the Wild West; ウェスタン映画らしい西部地域]にいたシマウマについて詳細に語った。

 
[インタビュアー、以下I] 『悪党に粛清を』は、Levringに期待されるものよりももっと伝統的なもので…
[マッツ、以下M] そう思う。僕はそれはとても伝統的なウェスタンだと思う。Kristianは彼が大好きな映画すべてに敬意を払うのに熱心だけど、同時に、彼の物語を持ってきて見せることにも熱心だ。でも彼は新しいジャンルを発明したり新しく作り直したりしようとしていたわけじゃない。彼の古い伝統との情事[love affair]は強すぎて、彼はそれを壊したいとは思わなかったんだ。

[I] 始まって10分程度からその映画はかなり陰鬱になります。それはデンマークの製作にとって新しいことではありません。どんな国の気質が、こんな恐ろしい作品を作り出すことを可能にしているのでしょうか?
[M] 何か国の気質があるんだと思う。人生[生命;life]への陰鬱な向き合い方[approach]が。僕たちには嫌な日が何日かあって、そのときはいくらかの雨と長めの冬があるんだ。だからそれはある程度国のムードの一部になってる。同時に、僕たちはまた国内の物語にとても着目している。だってそこ[国内]こそが僕たちにとって大きなドラマが存在するところだから。僕たちは巨大なCIAとか巨大な軍隊といったものは持っていない。僕たちには犯罪はあるけど、そこまでのスケールじゃない。だから僕たちは内面の人生[生活;life]に着目しがちなんだ。

[I] 何がよいウェスタンを作ると思われますか?
[M] よいウェスタンには、他の何にでも言えるように、よい物語がないといけない。でも僕は、復讐がかなり多くあるのがその[ウェスタンの]伝統であり続けていると思う。そこには誰か綺麗にしていく人がいる。そこには法が守られていない都市や場所があり、他の誰かが自分自身の手で法をもたらす必要がある。

[I] あなたの役は、伝統的なクリント・イーストウッドかジョン・ウェインのタイプのカウボーイ、どれに似ていますか?
[M] この男は、必要に迫られてそれをやってる、選択肢がないんだ。全てのものが彼から奪い去られたんだ。彼は”既に[最初から]いつも復讐する機会を探していてその街の貧しい人達を助けている、傷のある孤独な馬の乗り手”という裏話をもって登場したわけじゃない。これは彼の場所だ。これは彼の人生だ。そこには、事実、かなり大きな違いがあるんだ。

[I] [あなたの言った]”奪い去られた”という言葉の言い換えとして、彼は確かに役に立つスキルをひと通り”持って”いますよね。[実際は言い換えではなく反意語なのでジョーク]
[M] えぇ、彼はたくさんのスキルを持っている。彼はハンターだから撃ち方を知ってるし、彼はまた兵士でもあった。彼が戦争でどれだけの人々を殺してきたかは僕たちは知らないけれど、兵士であるということはつまり、あるスキルを持っていなければならないということだ。もちろんね。

[I] では、あなたは子供のときどんなタイプのカウボーイでしたか?
[M] 僕はカウボーイだったことは一度もないよ。僕は60年代と70年代のポリティカリー・コレクトなヨーロッパで育ったんだ。もし僕たちがカウボーイだったら僕たちは悪いやつだから、僕たちはみんな(ネイティブアメリカン)になりたかった。僕たちは実際に弓を射ることができてお互いにそれでやり合うことができるけれど、弾丸を実際に撃つことはできないという意味でね。

[I] では、あなた達は誰をカウボーイ[役]にしたんですか?
[M] カウボーイの衣装を一式持ってたやつ。僕たちは基本的にただ彼を殺そうとしていた。それが僕が覚えていることだ。

[I] 撮影は南アフリカで行われました。そこが西部地域[the Wild West]であるかのように感じるために精神的にかなり努力する必要がありましたか?
[M] いや、そんなに。たまに僕たちが目を光らせないといけなかった唯一のことは、背景に1匹の馬がいる代わりにときどきそれがシマウマになっていることだった。

[I] ではあなたは馬に乗ってたんですか?シマウマをただペイントして飛び乗らなかったんですか?
[M] しなかったよ。僕は馬に乗ってた!僕は今までの中で一番カッコよくて一番扱いやすい馬をあてがわれたんだけど、残念ながらそれには数回しか乗らなかった。その馬を買いたかったよ、それは美しかった。

[I] その名前覚えていらっしゃいますか?
[M] いいや、その名前は覚えきれてない。これが、僕がいかに自分の言ってることに不誠実かということだよ。僕は何かを買いたいけど、それがなんと呼ばれるのか知らないんだ。

[I] あなたは今や銃の取り扱いにはかなり慣れていますか?
[M] うん、そう思う。古いウェスタンの武器に限らず。何かの映画のセットにはいつも銃があって、それは現代的なものであったり古いものだったりするんだけど、みんなこう言うんだ。「おい、これ撃たせてよ」って。それはいつも少年的[boyish]なものなんだと思う。僕は人生の中でかなりハンドガンを撃ったよ。

[I] 素早く引き抜く練習を何かしないといけなかったですか?
[M] する必要はなかったけど、撮影の合間の休憩で何が起きていたか想像つくでしょう。僕たちはそこに立って、みんなノンストップで銃を抜いていた。そして、言わなきゃいけないんだけど、僕はかなり早い。

[I] デンマークで一番早い…
[M] だったと思うよ。うん。

[写真キャプション。写真は両腕を上部で括られた姿] 彼はピラティスに申し込んだ日のことを後悔していた。


最後の写真キャプション、小さい文字で笑わせに来てますww縛られ続けてガチガチになった身体でピラティスに行ったのかな。

「言い換え」のくだりは、マッツも気付いてるようで「”たくさんの (tons of)”スキルを持っている」とあえて反対意見をさらに大げさに言っています。高度だ…!
 

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細かなところで笑わせに来るこのUKクオリティ好きだしマッツの自棄な発言も可笑しいww