さらにまたマッツソースさんのアーカイブから知ったインタビュー記事を和訳します。舞台の話がある!
いつものように和訳は直訳気味、[ ]は私の補足、固有名詞の和訳は適当、この翻訳で知った情報を使う場合は必ずソースを明記してください。
Source: Miami Herald(リンク先切れてます。マッツソースさんのアーカイブはこちら)
マッツ・ミケルセン、いい役を捕まえる[*]ことについて
[*The Hunt『偽りなき者』の英語タイトルに掛けてます]
マッツ・ミケルセンの周りを一つの型で囲むのは難しい。この長身で陰気な[sturnine]デンマークのスターは『カジノ・ロワイヤル』の悪いヤツであり、『フレーム&シトロン』の勇敢な第二次世界大戦のレジスタンスの戦士だった。彼はちょうど、NBCの『ハンニバル』にて柔和で雑食のレクター博士として彼の最初のシーズンを終えたところだ。
金曜に公開される『偽りなき者[The Hunt]』では、彼は恐ろしい罪を誤って着せられる優しい心根の学校教師を演じている。その心理的スリラーにおける彼の演技で、昨年のカンヌ映画祭において彼は男優賞を獲得した。彼はデンマークの女王によってナイトに叙されもした。しかし彼はいまだに、初めてロメオを演じた時のカーテンコールで野次られたことを思い出す。
「ある晩、20人以上の人たちが後部座席でブーイングしていたのを覚えてる。それはそんなに珍しいことじゃなかったし、それはいい気持ちのすることではなかった」とミケルセンはニューヨークからの電話で言った。「幸いなことに、僕はお辞儀をする際にジュリエットと一緒に出て行っていた。だから僕はいつでも彼女のせいにすることができた」[ジョーク]
俳優になる前は体操選手とダンサーだったが、ミケルセンは「演技にもっと惹かれていることに気付いたんだ。スコセッシが成し遂げたすべてのこと、アメリカ映画における70年代と80年代のすべてが、僕の目を開かせたんだ」と彼は言う。『Taxi Driver』が天啓だった。
「それこそが、僕が映画を観て入り混じった感情を感じた初めての映画だったんだ。デニーロ、彼のことは好きじゃなかった、そして好きになった、そして好きじゃなくなった、そしてまた好きになった。それは疑問を僕に投げかけ続けてきた。僕はアクティブになって僕が観たものについて考えなければならなくなった。ただ僕に答えを与えるのではなく……。それは、観客としての僕に一つのジレンマを与える素晴らしい方法だった」。そのパラドックスが、その後ずっと彼の演技へのアプローチを形作っている、と彼は言った。
「僕はそれを僕の作品で成し遂げようとした。それは二面性でなければならない。ただの白か黒かではなくて。僕たちはいつでもそれができるわけではないけど、その映画が十分によく書かれたものであれば、試すことはできる」。彼の役を切り替えていく能力は、彼に著しく多様な経歴を作り上げるチャンスを与えた。2009年には、彼は『ヴァルハラ・ライジング』での無口な首切りバイキングの狂戦士と、『シャネル&ストラヴィンスキー』でのセクシーで知的な作曲家という、背中合わせの役をこなした。
『偽りなき者』では、ある誤った告発が、小さなデンマークの町の住人たちの間に噂と疑いと疑念を広めた。ミケルセンの役であるルーカスは、論理的な考えが行き渡ることを期待したが、彼の友人たちは彼に敵対し、強烈な憎しみは絵葉書のように可愛らしい村を21世紀のセーラム[Salem;魔女狩りのあった地]へと変えてしまう。
「ルーカスは無垢の被害者に近い」とミケルセンは言った。「頑固な男だから、彼はこの件を文明的な方法で扱うように主張する。それは彼の負けが決まっている戦いだ。だって彼は感情に逆らっているんだから。彼は、彼の周りのみんなが正気を失っていく中で、正気を保とうと踏ん張っている。可笑しいのは、その映画において僕や観客にとっても最大の救いとなるのは、彼が彼の方法を見失って、スーパーマーケットである男に頭突きするところだ」
ミケルセンは、この物語が、”社会を守ること”と”守る価値のある自由を放棄すること”の間にある緊張と似通っていると見ている。
「テロと戦って民主主義を保つことへの偏執[paranoia]と熱意のなかで、僕たちはテロと戦うために民主主義を動かしてしまっている。僕たちは、もし恐怖に屈したら、この戦いに負けるだろう」
マッツ、舞台で苦い経験されたこともあるんですね。。20人以上のブーイングはつらそう。
翻訳していて改めて思ったのですが、このあいだのムビスタでハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行に関する世間の動きについてマッツが言っていたことは、この『偽りなき者』に関して言っている部分とかなりダブりますね。「魔女狩り」「感情ではなく文明的な方法で」というあたり。
確かに何の結論にも至らないうちから怒りや恐怖といった感情爆発で攻撃的になりすぎてた気がする。ただ「法律に任せましょう」だけだと過去と何も変わらず言い出せない被害者が多いままになるのも確かなので、そこをサポートする仕組みや技術(超小型のウェアラブル録画端末早く来い)を発展させることに力を注いでほしいなと個人的には思います。
テロと自由の件は、スノーデンさんのことを踏まえた話かと思います。このインタビューが2013年7月、スノーデンさんに逮捕命令が出たのが2013年6月で亡命されたのが8月。私もスノーデンさんとアサンジさんは今でもTwitterでフォローして呟きを見てます。この人たちをこんな目に遭わせたままでいいのかなってずっと考えて観察してる。
マッツがこういう洞察を見せてくれるのほんと好き。なので一応最低限補足を書きました。見た目もいいけど言ってることもただの愛想いい俳優さんレベルじゃないよね。
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